台風19号被害

10月12日に中部・関東から東北地方を襲い、各地に甚大な被害をもたらした台風19号でしたが、わが自宅兼事務所の在る秩父郡皆野町金沢地区でも大規模な土砂崩壊が発生しました。

全壊した家

幸いにして人的被害は無く、他に大きな災害が多発したこともあって、報道などで大きく取り上げられることは有りませんでしたが、全壊家屋3棟、半壊1棟、別荘地への進入路も一緒に崩落したことで孤立した世帯が3軒、給水管断裂のため断水した世帯1軒(わが家のことですが)という被害は決して軽いものではありませんでした。

土砂で横転する車

台風が去ってあたりが静まりかえったとき、ずずずずという低い響きを聞いたとき、
嫌な予感に襲われて思わず外に飛び出しました。

台風12号

周辺に拡がるガス臭は以前に聞いていた土砂崩壊時の特徴とすぐに思い至りましたが、これは土中に閉じ込めていた植物性のガスが一気に放出されるせいでしょうか。

家の前の県道の、半分近くまで土砂に押し出されて傾いた隣家を見たとき、わたしの鼓動はピークに達しました。

別荘として利用されているお宅ですが、時々そこに家の方が泊まっていることを私は知っていました。

建物は完全に押しつぶされて屋根瓦は地面に達しています。もしこの中に人がいるとしたら、いま助け出せるのは自分しか無いだろうと、大声で呼びながら傾いた材木に手を掛けたものでした。

まだ土砂が動いている時でしたから建物の中からミシミシ、こつこつと音がして、その音が助けを求める人の合図のようにも聞こえ、警察と消防に通報して到着を待ちながら、地元の消防団の皆さんが集まってくるまでの間、わたしはその場を動けずにいました。

幸いにして当日の滞在者が居なかったことをもう1軒の半壊住宅の隣人から聞き、その隣人や別荘の上の住人の安否も確認できた頃には、ようやく消防や警察が到着。

さらなる安否情報と被害情報の確認がしばらく続きました。

(以下、2020年2月追記)

その後わが家の避難勧告が解除され、山を越える長い距離の仮設水道が敷設されて、ようやく日常生活は取り戻しましたが、土砂の撤去と全壊家屋の解体、別荘への仮設道路の造成が始まるまでそれから3ヶ月要しました。

すでに4ヶ月が経過した今も、給水管の復旧には至らず、氷点下の朝には水道が凍結して使えない、という状態が続いていますが、それ以上に大変なのは別荘の上に孤立した皆さん。

歩いて降りる山道は整備されましたが、自動車を降ろして使えない状態が続いています。

(以下、2020年4月追記)

発災から半年を経て、ようやく別荘への仮設道路が開通、倒壊した家屋の解体から崩落した法面の復旧までが完了しました。

わが家の水道もようやく地中埋設を終えたことを報告させていただきます